Re - ImageJで学ぶ!: 第4回 医用画像の基本的な性質を知ろう(その1)で学ぶ!

2015年7月28日火曜日

第4回 医用画像の基本的な性質を知ろう(その1)で学ぶ!

前回は、ImageJで扱うことができるいろいろな画像データの規格について学びました。
今回はDICOM通信による画像送受信についての概略と、実際に医用画像データを用いて、非常に基本的な画像の諸量の測定方法について解説します。
実戦でも役立つことがあると思います。

DICOMフォーマットのサンプル画像


まず、サンプルのDICOM画像を入手できるサイトをご紹介いたします。一部のサイトでは、ユーザー登録が必要です。

D. Clunie氏の公開Webサイト

    http://dclunie.com/index.html#Images

OsiriX

  http://www.osirix-viewer.com/datasets/

dcche.org mDICOM Samples

  http://www.dcm4che.org/confluence/display/WEA/DICOM+Samples

aycan

  http://www.aycan.de/sample-dicom-images.html

National Biomedical Imaging Archive

  https://imaging.nci.nih.gov/ncia/login.jsf


Quantitative Imaging Data Warehouse (QIDW)

  https://www.rsna.org/QIDW/

Rubo Medical

    http://www.rubomedical.com/dicomfiles/index.html

LeadTools

    http://www.leadtools.com/SDK/Medical/DICOM/ltdc19.htm

S. Barré

    http://www.barre.nom.fr/medical/samples/index.html

webMathematica

    http://www.wolfram.com/products/webmathematica/resources/dicom.html

GDCM Extra Data:

    http://www.creatis.insa-lyon.fr/~jpr/

Data From Insight Journal

    http://gdcm.sourceforge.net/wiki/index.php/Sample_DataSet/InsightJournal

他にも、いろいろなサンプルが公開されていますので、探してみてください。

ImageJを使って画像の特徴を知る


1. 画像のスケーリング

早速、ImageJで表示した画像がどのくらいの大きさの実データを表示しているかを調べましょう。
今回はクルーニー氏のリンクから辿って、"UPMC Breast Tomography and FFDM Collection"の画像を取得して、解析を進めます。利用した画像は。CASE8の右側MLO:小葉癌(Lobular carcinoma)のトモシンセス画像です。

画像を表示すると、ウィンドウ上部に横×縦のピクセル数が表示されます。
この例では(266×425 pixels)となっています。


次に、ImageJのメニューからShow infoを選択し、DICOMヘッダーを表示してみると、Pixel Sizeが1×1に設定されていることがわかります。このサンプル画像のDICOMヘッダーには含まれていませんが、画像によっては(0028,0030)Pixel Spacingの値に1ピクセルあたりのサイズ(ミリメートル単位)が表示されることもあります。

今回、(0028,0030)Pixel Spacingの値が不明なので、多目的分解能(point spread function:PSFやaperture transfer functionを無視したピクセルだけを考慮した分解能)は、横幅が266×1=266mm、縦幅が425×1=425mmと仮定します。Pixel Spacingの値によって、この幅が計算できることがわかるということが重要です。

例えば、微少石灰化について、2値化>エッジ抽出>円形度circularityによる算出処理を行って、石灰化の周囲長(perimeter)と円形度を計測してみます。まず、先ほどの画像に四角形ROIをセットして、Image>Duplicateで画像を複製し、 2値化はImage>Adjust>Threshold、エッジはProcess>Find Edgesで処理で行います。



 (二値化してエッジ処理後、領域選択ツールで石灰化を選択した状態)

円形度(circularity)はプラグインとして公開されています。利用するときは、二値化をして領域選択ツール(棒の先が光っているマーク)で解析対象を選択した後、Plugin>Compile and Runでダウンロードしておいたjavaファイルを指定して実行すると、Resultテーブルの右端に円形度が表示されます。


もし、DICOM画像中にスケーリングするためのパラメータがない場合は、撮影の際に定規などのスケールを被写体と一緒に撮影しておけば、およその画素サイズをAnalyze>Set Scaleから設定できます。単位も変更できるので留意が必要です。

2. ヒストグラム

二次元の医用画像はピクセルの集合ですが、この1つ1つのピクセルの持つ値(濃淡値=画素値)の分布を調べるための手法の1つがヒストグラムです。
モノクロ画像(CT)とカラー画像(カラードップラー画像)のヒストグラムを表示してみます。
カラー画像のヒストグラムは、各チャンネルで表示する必要があります(分解の方法は第3回を参照)。






さて、ここでヒストグラム表示のグラフ下に関心領域の全画素数(Count)、画素値の最大値(Max)、最小値(Min)、平均値(Mean)、標準偏差(StdDev)、最頻値(Mode)などが表示されていることがわかります。
これらが画像の特徴を表す代表的な指標となります。また、前述の円形度も特徴の一つです。
画像から得られる特徴はまだまだあります。

次回も引き続きImageJを使った医用画像の特徴量の測定法について述べます。

Reference
  • 参考記事:「山本修司:ImageJで学ぶ実践医用・バイオ画像処理.INNERVISION(20・3) 2005, p108-110

1 件のコメント:

  1. おはようございます。

    私もデータだけは頂いたことがありますが、ソフトは動かしたことがありません。

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