ImageJのプログラムエディタについて
ImageJはオープンソースソフトウェアであるため、ImageJそのものをユーザの思い通りに改変して利用することができます(ライセンス条項に則って)。
このような改変を行うために統合開発環境(Integrated Development Environment:IDE)というソフトウェアを用いて本腰を入れて開発を行うこともできます。この方法については、第42回 ImageJのソースコード分解(Eclipseを用いたImageJのプラグイン実行方法)で学ぶ!を参照してください。
今回は、このようなIDEを用いず、プラグインやマクロを作成する場合に使うImageJのエディタを、このエディタを強化すツールであるjEditをImageJビルトインする方法(「IJ_Ed advanced editor for ImageJ」)も含めて、紹介していきます。
ImageJのjEditエディタの実装
まず、jEditはマルチオペレーティングシステム対応のフリーのプログラムエディタです。主な特徴は以下のとおりです。
- シンタックスハイライト
- ソースコードのオートインデントやプログラム解析
- 検索・置換
- ファイルマネジメント(文字エンコード)
- 機能のカスタマイズや拡張
・jEditダウンロード
http://www.jedit.org/index.php?page=download
・IJ Ed2 ImageJプラグインダウンロード
http://imagejdocu.tudor.lu/doku.php?id=plugin:utilities:ij_ed:start
上記が完了したら、インストール完了です。
jEditを使ってマクロを起動させてみよう
まず、jEditを起動します。
次に、ImageJを起動して、ImageJのプラグインのリストから<plugins>Editor>IJ Ed2 jEdit link>を選択して起動してみましょう。ImageJを起動している場合は、そのままプラグインを起動しましょう。
起動画面です。
早速、簡単なマクロを動かしてみましょう。最初は、"Hello"ダイアログを表示してみます。jEditの新規テキストに、次のように書いてみます。
showMessage("Hello Re-ImageJ Readers!");
そして、プラグインのウィンドウ内の"Run macro"から実行してみましょう。
次のようにポップアップが表示されます。
もう一つ、同じ画面上で2つマクロを編集してみます。一つは上記のマクロで、もう一つマクロを増やします。
jEditの新規テキストボタンを押して、新規テキストを作成して、レイアウトを2パネルに変更します(jEditウィンドウの右上)。
新しいテキストには、次のようにサンプル画像を指定して表示するマクロを書いてみました。
run ("Blobs (25K)");
編集しているjEdit上のテキストをアクティブにしたまま、同じように、プラグインウィンドウの"Run macro"を押して、マクロを実行します。
上記操作は、開発者が動画でも公開しているので、チェックしてみて下さい。
(Introduced by:https://www.youtube.com/watch?v=sLvXBBGGsBs)
このような操作の他に、このプラグインでは、"Install macro"で編集しているマクロをImageJにインストールしたり、編集しているテキストファイルがjavaファイルの場合は、”Compile java”でクラスファイルにコンパイルしたりできます。
jEditのデフォルトのメニューからマクロのテキストファイルを読み込んで編集することもできます。もちろん、jEditは主にプログラム用のエディタなので、ゼロからプログラムを作成することもできます。
今回は、ImageJを用いたプログラム開発のためにjEditを用いる方法を紹介しました。ImageJ標準のエディタを使うよりも、jEditなどのプログラム開発専用のエディタを使うほうがプラグインやマクロを開発しやすいと思う人が多いはずです。
jEditは、開発環境として、IDEには敵わないと個人的には思いますが、ちょっとしたマクロを書きたいときには便利です。普段からImageJを自分でアレンジして使っている方々にとって有益な情報になれば幸いです。
参考記事:「山本修司:ImageJで学ぶ実践医用・バイオ画像処理.INNERVISION(26・2) 2011, p96-97」
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